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アクアマンのMurshのレビュー・感想・評価

アクアマン(2018年製作の映画)
4.1
「そういう映画」と割り切って楽しむべき映画。

この映画ほど初見と2回目の感想の差が生まれた映画は他にない。

1回目は「ちょっと眠いけど、アメコミド派手映画だから適度な笑いと興奮で目を覚ましてくれるだろう」とレイトショーで鑑賞したものの、案の定ウトウトしてしまい世界に入り込めず大失敗。
IMAX以外の映画館は基本ブルーレイに比べやや暗く鮮明度も低い。アクアマンは舞台が舞台だけにほぼ背景はCGで海の中のシーンが多い。そのため映画館だとボヤッとしたCG感が眠気を誘う。

2回目は我が家のホームシアター。
昼寝をし、準備万端で鑑賞。始まった瞬間から「あれ?こんな映像綺麗だっけ?」と驚き、さらにDolby Atmos音声の360度の音響が興奮を誘いやがる。
基本、アクションはドラゴンボールであるが、最後の海底大決戦シーンはアベンジャーズエンドゲームのラストバトルと同等のアドレナリン感といっても過言ではない。地味ではあるが師であるウィレムデフォーに関する伏線回収も心地よい。
ラストの「俺はアクアマンだ」的な決めポーズで終わるところは、監督の「最後にファンを気持ちよくさせてやろう」という意気込みがひしひしと伝わる。

また、なにげに音楽がとても良い。
BGMと良いが、エンドロールの主題歌は世界観とマッチしており、ついつい最後まで見てしまう。

そんなこんなで、3度目の鑑賞が本日だ。
プロジェクターを4Kに変更。3Dも試聴可能もなり、わざわざ中古でアクアマン3Dを買ってしまった。残念なことに3DブルーレイはDolby Atmosではないが、そんなことに負ける自分ではない。頑張ってなんとか対応し、ようやく視聴に辿り着いた。
アバターの3Dがすごい理由は映像がほぼCGだからであるが、アクアマンもそのパターンである。映画館ではどこもかしこものCG感に拒否反応を示してしまったが、家で見るブルーレイについては鮮明度とものすごい奥行きの3D映像から、むしろCGでよかったとさえ思ってしまった。

自分はCGに頼り過ぎの最近の映画は基本好きではないが、アバターやパシフィックリム、そしてアクアマンの3Dを見ると、その2つの相性は抜群であることに今更気付かされた(作られた映像ゆえに当然だけど)。

本作の監督はジェームズ・ワン。
ソウ、インシディアス、ワイルドスピードスカイミッションの監督で、スカイミッションの成功により、ホラー以外のバリバリのアクションも撮れることを世間に知らしめた。客を最初から最後まで楽しませる能力がやたらと高い監督である。
スピルバーグやキャメロンといったエンターテイメント映画の名監督として、新たな世代の監督を3人あげるとすれば、ジェームズ・ワン、ジェームズ・ガン、クリストファー・ノーランだと個人的には考えている。「ワイルドスピードスカイミッション」、「ガーディアンオブギャラクシー2」、「インセプション」、それぞれジャンルやテイストは全く違うが、映画館で観終わった後、素直に「名作を見た」と思わせてくれた監督たちだ。

ワン監督はアクアマン2の製作を控えているらしい。「少しシリアスになる」ということを言っている点から、ハリウッドお得意のポリコレ映画にならないか心配である。
頼むからセクシーな「環境問題」やら「捕鯨」系は回避してほしい・・・
※本作の時点で鯨とイルカの捕獲シーンが一部あって気にはなったけど・・・
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