P後輩

エベレスト3DのP後輩のネタバレレビュー・内容・結末

エベレスト3D(2015年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

結論からいうと、とにかくつまらない。
ここにあるのは「実際に起きた“事件”」という映画ジャンルの定型の残骸があるだけ。
物語も、エベレストではそのようなことがよくあるのだろう、あってもおかしくない、といった想像の枠のなかにすっぽりとおさまってしまうし、「実際に起こったこと」を視覚的に「確認」した以外の価値が見出せない。「疑似体験」のレベルではない。

まあそりゃあエベレストの神々しさはスクリーンの中から見ることができるのだが、「IMAXフィルムから借りてきたフッテージ」は別にこの映画でなくても、エベレストのドキュメンタリーでも確認できる。
しかも本作品自体はIMAXカメラで撮影したものではない。そしてIMAX劇場で観たのにもかかわらず、どうにもIMAX感がない。ただスクリーンがすこしデカいという、それだけ。
それに本編の大部分はIMAXではない他のHDカメラ(ARRIのアレクサetc)を使っているので、35mmとか70mmとかを使っているBBCドキュメンタリーみたいな画像の綺麗さも迫力もない。そしてサウンド・トラックも恐ろしほど貧しい。
それよりも一番吃驚したのは、「3D」と謳っているのにもかかわらずの、3D感のなさ。そもそも監督が全くそういう意識(意図)がなく演出しているし、3Dカメラを使ってもいないので、「その場で目撃している」感がまったくがない。被写界深度が浅いところと字幕だけが、変に気持ち悪く「浮き上がる」。だからここに表出されるものは、興行のために3Dプリントしました、という“山師”の姿だけだ。
そんなもんだから、IMAXとか3Dの特性的醍醐味は途中からあきらめて観たのだが、エンド・クレジットの最後まで、酸素が薄くなるような演出も、不気味な嵐が「こちらの身に」真に迫ってくるような撮影もまったくなく、雪の感触さえ残らなかった。

冒険心のかけらもない監督含む製作陣の姿勢には、冷たいドラフト(隙間風)しか感じない。
エベレスト級ではなかったが、桜島級につまらない。
“噴火”こそしなかったけれど、こんなクリシェをレビューで使うぐらいだったら、とっとと途中“下山”すればよかった。

@TOHOシネマズ新宿(11/14/2015)IMAX 3D