さわら

エベレスト3Dのさわらのレビュー・感想・評価

エベレスト3D(2015年製作の映画)
3.0
いい死にっぷりをする映画だ。途中から「おまえ、それやったらあかーん!」という誰もが思うことにズブズブのめり込んでいく、絶望的展開もいい。
大自然というのは畏怖すべきものだという、暗なるメッセージを声高にアピールせず、ただただエベレストの怪物的存在感だけでそれをイメージさせるのはよい。またいろいろ意見はあるようだが、個人的にはIMAX3Dを冠するにふさわしい映画だったと思ってる。一面の銀世界、突発的に起こるブリザード。特に素晴らしかったのは遠景からのショットであって、大自然を前にした人間の小ささたるや!
ただ不満点も大いにありそこを明記しておく。まずは前半部、ごちゃごちゃうるさい。事実に基づくとはいえ、本格的にアタックを始めるまでが長い。テント内、ジェイクギレンホールたちとの掛け合いは意味あるのか。90分ぐらいの、絶望さが濃く抽出された映画にしてほしかった(思うに3Dは90分前後がちょうどいい)。
それとも関わるのだが、キーラナイトレイらの「家族愛」の煩さよ。『インターステラー』にも言えるの悪習だと思うのだけど、エベレストの絶望的状態で、宇宙や時空を超えたこの世界の果てで、結局「家族」といういち集団に帰着するのは、作品の厳かさや世界観を狭め貶めている気がしてならない。広げた“風呂敷”にもっと責任もつべきだ。

結局やはり、IMAX3Dでの唯一無二の傑作は『ゼログラビティ』だと思うのです。異論は大いに認めます。