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エベレスト3Dのkimaguremovieのレビュー・感想・評価

エベレスト3D(2015年製作の映画)
3.9
登山ものは映画館に限ります。雄大で聖なる自然を大スクリーンで観る。これだけで価値があります。3Dにしてその効果は倍増。自然を身近に感じました。
しかし場所はエベレスト。谷にかかるハシゴの立体感だけではなく、凄みを3Dでもっと見たかった。例えば山頂直下から山頂にかけての景色。さぞかし神がかったものに違いないです。エベレストという名がなければそこまで求めませんでしたが。

山が、自然が人を襲う。主導権は山にある。冷徹なまでに。お金も地位も関係なし。人は自然の一部、ちっぽけな存在です。ガイドのロブ(ジェイソンクラーク)は、下手を打った。商業登山だった、の一言で片付けられるのか。判断を誤らせたのはエベレストの魔性なのか、考えさせられました。そして妊婦で妻のジャン(キーラナイトレイ)の心配は涙を誘います。キャンプでサポートするヘレン(エミリーワトソン)の必死さは胸を打ちました。秀逸。
そして、容赦ない吹雪のなか登山者のそれぞれ。力を振り絞って救助に向かうもの、行方不明者を見捨てるもの。自分ならどうしたか? あれこれ考えましたが、テントに滞留した人が卑怯だなんて思わなかったです。限界を越えた状況が十分伝わりました。、

登山も、ボクシングやゴルフやあるいは投資と同じで、攻めれば隙ができる、何かを達成したければ何かのリスクを背負う。虎穴に入らずんば虎子を得ず。ただ、なぜ挑戦したのか。そこにモヤモヤ感がありながらのクライマックス。

ですが、これは1996年のエベレスト大量遭難事件を元にしたもの。7大陸最高峰制覇の難波康子さんも出てきました。彼女含め当事者や遺族の想いはいかばかりか。最後、当事者の写真の連続。サラも出てくる! 良しとしました。
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