MasaichiYaguchi

シーズンズ 2万年の地球旅行のMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

2.7
この手のネイチャードキュメンタリーを観て思うのは、どうやって撮影したのかということ。
「WATARIDORI」や「オーシャンズ」で驚異の映像を見せてくれたジャック・ペラン監督は、この映画では撮影技術を進化させて野生生物たちに肉迫し、その生態を鮮明に切り取っていく。
更に本作では、氷河期終焉後、その極限の世界を生き延びた動物をはじめとして、様々な生物が躍動し始めた時代から現代に至るまでの2万年の地球の歴史を動物たちの目線で描いていく。
ただ97分という限られた上映時間や、古代から生き延びている僅かの動物を俎上にして壮大なモチーフを描こうとしているので、どうしても寸足らずで無理がある。
その無理の部分を補うように演出したシーンを随所に織り込んで“物語”を作ろうとしているので“やらせ”のような印象が強い。
地球に生きるこれら動物と人間との係わり合いの歴史を通して我々に問題提起やメッセージを発信するのだが、余りにも言い古された内容で心に訴えてこない。
その上、登場する動物たちの大半が馴染みのあるものばかりで、描かれた動物やその生態に新たな発見や驚きが薄い。
まるでNHKのEテレを観ている感じで、小中学生の科学の教材としては最適かもしれないが、この手のネイチャードキュメンタリーを見慣れている人には物足りないかもしれない。