MOON

オーバー・フェンスのMOONのレビュー・感想・評価

オーバー・フェンス(2016年製作の映画)
3.1
作家・佐藤泰志さんの函館3部作の最後を飾るらしい今作。

うーむ…。役者さんの演技は光ってるし監督も好きなのに、そこまでハマれなかったー。『そこのみにて光輝く』に続いてまたしても…だ。これだけ好き要素が揃ってるのに、それでもあまり響かないって事は、私はこの作家さんの世界観が合わないのかもしれないなと思いました(^^;;

情緒不安定で突然キレるメンヘラヒロインがかなり苦手。それに惹かれていく主人公にも感情移入しづらく。不穏な空気を醸す音楽や何かが起きそうな緊張感で集中力は途切れなかったんだけど、どこか傍観したまま。最後まで気持ちが入って行かずに終わりました。

お魚見る〜?とブランコ少年だけは すんごいツボってしまいましたが(このあたりは山下ワールドか笑)。オダギリジョーの焼肉屋での静かなマジギレと「俺、失うもの何もないから」の表情は100万点でしたが。

断片的に思い返すと良いシーンはたくさんあったんだけど、やっぱりヒロインの造形なんだなー、きっと。彼女の闇の根本が見えないから ただのめんどくさい子にしか見えなくて。彼女があーだからこそ成り立ってるのはわかるけど、それを受け入れられるか否かが評価の分かれ目なのかなと思いました。主人公パートと職業訓練校パートは良かっただけに残念でした。
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