悪魔の毒々クチビル

シャドー・オブ・ナイトの悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

シャドー・オブ・ナイト(2018年製作の映画)
4.7
あらすじは載っているので省略。


これ、フォロワーさんのレビューで知って「あら面白そう」って思っていたんですけど、予告編とかは一切観ていない状態で本編を視聴いたしまして。
で、ネトフリの画像でイコ・ウワイスを前面に押し出していて尚且つキャスト欄も一番上がイコさんだったんで当然彼が主役なんだなとワクワクしながら観た訳ですよ。

で、本編観初めて早い段階で察せたけどイコさん主役じゃないっていうね。寧ろ敵だよラスボスだよ何だよチキショーそっちのパターンかい。
ただこの作品、そんな俺のチンケな不満を速効で吹き飛ばしてくれる快作となっております。

「ザ・レイド」をより一層バイオレンスにしたような格闘シーンはもはやスプラッター。
片っ端からグチャドロに殺られていくモブ達。あっという間に築き上げられる死体の山。何なら本人達も気づいていないだけで撮影中何回か死んでるんじゃないかってくらい、ギリギリな格闘。うーん、素晴らしい。
そんなアクションシーンを血みどろに彩る登場人物もとても良かったです。

主人公のイトウさんはまるで「どうもMr.人体破壊です」と名乗るかの如く、向かってくる敵を様々なやり方で壊していく。骨を粉砕し、手足を切り落とし、ビリヤードのボールで頭をかち割りそこから血がピューピュー吹き出る。これは最高ですな。

一方で延々と続く戦闘の中でイトウさんも結構ダメージを負うんですけど、一向に倒れない不死身っぷりを披露してくれます。何なんだこいつは。

女の子を守る為に散っていくイトウの仲間達も中々良いキャラでして、観ていて思わず「ボビイイイイイイ!!」と心の中で叫んでしもうたの。

あとイトウを狙う組織の刺客たちも強烈でした。
まる子ちゃん的なヘアースタイルのワイヤー使いのねーちゃん、そして基本行動を共にしているワイヤーまる子にとってたまちゃん的存在のロン毛ねーちゃん。
このたまちゃんが使う短刀が格好良かったんですけど、いかんせん名前が分からない。
アレですよ、何か…こう、ククリ刀をもっと''への字''に曲げた様なやつです。はい。

そして事情は良く分からないしどこの勢力の者かもイマイチはっきりしなかったんだけど、急にやってきてイトウの代わりに女の子を守ってくれる女スナイパーもこれまたイカしておりました。

このスナイパーvsまる子&たまちゃんの戦闘も格好良かったなぁ。

肝心のイコ・ウワイスもね、相変わらずぶっ飛んだ凄さでした。
一応、イトウとはかつての仲間同士ってことで何度かイトウや彼の仲間を助ける場面があったんですけどそこで強キャラワイヤーまる子ちゃんをあっさりあしらうと言う、劇中屈指の強さを見せつけられ超痺れました。結局敵になっちゃうんだけど。

そして最後に繰り広げられるイトウvsイコ演じるアリアンのバトルは圧巻の一言。
やっぱ凄いよイコさん。何だよあのフェイント最高かよ。もうあのフェイントを観た辺りから普通にイコさんを応援していました。
パンチもいつも通り早すぎてちゃんと追えない。凄い。と思ったらまた新たなフェイントを仕掛ける。凄い。
途中から''凄い''がゲシュタルト崩壊しました。しゅごーい。

まぁ闘う前からそこそこダメージを受けていて、更にあんだけイコの連打を受けて尚死なないどころか対等に闘えるイトウに若干萎えちゃったんだけどね。

あと脚本も「組織に狙われてる女の子を守る」っていうめっちゃシンプルな内容なのに、無駄に壮大な設定にしたりよくわからん勢力の存在を仄めかしたりと、かえって呑み込み辛い内容になってたのはイマイチでしたね。
その女の子も微妙に影が薄くて何だかなぁ。
2時間っていう長めの尺を使っても中途半端な印象が残ってしまいました。

でもこんなにゴアゴアなバイオレンスアクション映画を観られたことには大満足です。
この後はネトフリのオススメ欄に出てた「ザ・ベビーシッター」なる作品を観ようかと思っていたんですけど、もっとイコさんを観たくなったのでやっぱり「ザ・レイド」を観よう。あ、「Beyond Skyline」もアリだな。