「死んでる奴は殺せない」
ずっとイコ・ウワイスが主人公だと思い込んでて、「いつになったらジョー・タスリム演じるイトウと合流するんだろう?」と思ってたら終盤になってやっと彼が敵であることに気付いた。
まあ、もう一人の主人公とも言えるけど。
主人公の思い違いはあれど、アクションに関しては予想通りの、いや予想以上のモノを見せてくれる。
同じ「刺す」、「殴る」といったアクションでも、「牛骨」や「ビリヤード玉」なんかの予想の斜め上をいく物でやると観客に伝わる痛みの度合いが一気に増す。
ククリナイフやワイヤーを武器にしたアクションもユニーク。
さらに画期的なのが、女″同士″の血みどろバイオレンスアクションまで見せてくれる事。
「白い服を着てきた事を後悔するわよ」と言って、ホントに服を血で真っ赤に染め上げる徹底ぶり。
ジュリー・エスティールが、ちぎれかけてる自分の小指を自ら引きちぎる場面はシビれる!
バイオレンスアクションを堪能させつつ、かつて志を共にした者同士の対立や、負け戦に挑む主人公といった″男の哀愁″が漂う作品。
銃弾の雨あられを受けながらも、車で敵に突っ込んで行くところで〆るラストの切れ味も良い。