おとぎ話みたいな夏、曖昧さの全くない幕引き。すんごくよかった…。
「大人はわかってくれない」「憧れられたい」「ここではないどこかへ行きたい」14歳の苛立ちと鬱屈を描く序盤、ご都合主義すれすれにテンポよく進む冒険譚、曖昧さを排した幕引き、にもかかわらず上映後に心身を満たす深く長い余韻。後味すっきり。さわやか。それはもしかしたら、「少年」と「若い男」を振り子のように揺れ動く年頃ゆえの潔癖さかもしれないな、という気がしたんでした。
主人公の母親役の女優さん。冒頭から、このひと絶対どこかで見たことあるよな…?と気になってたんですけども、中盤あたりで突然ふっと合点がいきました。オドレイ・トトゥだ。つまりは、アメリだ!うわーうわーうわー、いま14歳の子がいるってことは、おかっぱ頭でクレームブリュレをコツコツやったりかくれんぼしたりしてたあの頃、既によろしくやってたってこと、ですよね…?(※役柄の上での話です)。ふおおおお!その後のフィルモグラフィーろくに追えてない身でえらそうなことは言えないけども、願わくば、あのいたずらっ子みたいな笑顔をまたスクリーンで見たいなあと思ったんでした。黒髪のおかっぱ美女といえば東のフェイ・ウォン、西のオドレイ・トトゥ。あくまで、わたしの中でだけ。