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この世界の片隅にのchelseaのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
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戦争を取り扱ってると、取り分け一般の日本国民が巻き込まれた背景が強いともちろんチャラついたことは言えないのが常だけど、別タイトルを付けるなら「ポワポワだけど戦争経験しました」でもいいかもしれない。「私と絵の具とそれ以外のこと」とか。絶対ダメだろうけど。怒られるだろうけど。ポワポワな主人公すずのポワポワな日常が、戦争という不可避要素を以ってどんどん吹っ飛ばされていく。シャボンが弾けて少しずつ苦味のある液体になっていく。
良い映画だったが正直私みたいなのには焦点がはっきりせんというか、ギリギリ微妙にオタウケしそうな人物画とか、空で弾けている爆弾を見てああいま絵の具があったらと思ったとかサブカル文学野郎ウケしそうだし、すずはそもそもボーッとしたキャラなのだから自分語りをもう少し控え、ビジュアル的にファンタジー要素を増やしてたらどうだったろう。
原爆で腕のもげた母親と少女が連れ立って歩くシーンがあって、母親はそのまま死に絶え、何日か経ちボロボロ崩てれいったんだけど、正直、あそこだけいきなりヘビーなファンタジー(本当は現実なんだけど)がやって来て、映像だけで心の底から泣いた。つらいけど全編ああだったら酷く良い映画だったかも。でもアニメ映画のことよう知らんから今のすべて詭弁かも。
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