菩薩

この世界の片隅にの菩薩のレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
5.0
能年ちゃんには個人的な思い入れもあるが、第一声から涙が出た映画は生まれて初めてだった。かつ、この様な素晴らしい作品が、どこぞの大手芸能事務所の圧力下にある状況に非常に憤りを感じている。それこそ悲しくて悲しくてとてもやり切れないので、さっさとEXILEともどもバーニングして欲しいとすら思うが、そんな醜い感情ですら、すずさんの朧げな笑顔の前では藻屑と化す。優秀な戦争・反戦映画は数多くあるが、これほどまでに暖かく、かつ人の心に染み渡る作品はそう無いと思う。この作品を観た後に、誰が再び戦争に加担したいなどと思うか?第二第三のすずさんを生み出したいと思うか?この作品には、不毛な争いを止める力がある、そう確信すら持てる。これは教育現場でも非常に使用価値があると思う。しがらみばかりが蠢く今の世の中ではあるが、素晴らしい物は素晴らしい、美しい物は美しい、好きな物は好きと、誰に気兼ねする事無く訴えられる世界の片隅で生きて生きたいと思うし、出来れば一人でも多くの人に、すずさんに出会い、彼女が不幸にも失ったその右腕になって欲しい。製作陣に多大なる感謝を申し上げると共に、エンドロールで流れる数多くの資金協力者の皆様にも、併せて感謝申し上げたい。本当に素晴らしい作品だと思う。自分がそんな事を言っていいのかは分からないが、許されるのであらば、オールタイムベストに掲げたい作品である。かつこんな自分にも、まだカケラばかりの感受性と、人間性が残っている事を再確認させてくれたすずさんに感謝を述べたい、すずさん本当にありがとう。どうか一人でも多くの人に、そしてこの作品を観た人が自分の大切な人に、そんな風にして世界中にこの作品が広がって行ってくれる事を切に願う。
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