ユタ

ユタの感想・レビュー

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます。

この作品の素晴らしさについては、多くの方がすでに書かれてると思うので、個人的に感じたことを書き残したいと思う。



”あなたのおばあちゃんが初めておじいちゃんにあった時、お嫁に行く人はどんな人かと思って緊張してたら、「ご飯でも食べようか」って。
一緒に食べに行こうとしたら「俺はあそこで食べて来るから、あなたもどこかで食べてくれば」って。「こんな人の嫁になるの?!」って思ったって、笑ってたよ”

この作品を見ながら思い出した、昔母親から聞いた笑い話。
おじいちゃんは変な人だ。そして私もやっぱり少し変な人だ。


いまは祖父母はもういないけれど、祖父母もこんな風に笑いながら泣きながら、”普通に”暮らしていたのかな、その積み重ねの先に自分がいるのだな、そう思うと静かに涙が出ました。


そして、いろんな人の右手のことを思った。
何年何月何日の何時何分何秒に原爆が落とされ何人が亡くなった。

時が経ちあの不条理な悲劇が数字で語られるようになっても、

私たちはその時代に生きた一つ一つの右手がご飯を炊き、絵を描き、幼い子供の手を引いていたことを、忘れてはいけないのだと思う。

そして私は、これからの人生をかけて、
”この世界の片隅で、普通に生きていく奇跡”を守りたいと思う。