コメディを含めながらも想像以上に戦争の惨禍が描かれていた。
好き嫌いは別れると思うが、しのごの言わず万人が鑑賞すべき作品であると断言する。今や戦争が自分とは関係のない史実となりつつあるこの現代で、後世にその悲惨さを訴えることができるものは限られている。例えば、本作のような映画。または写真やイラスト。はたまた原爆ドーム等の建築物も含まれるだろう。忘れてはいけないのは、戦争を経験した人間から聞く体験談である。体験した人たちから聞く話は克明に記憶に残るだろう。しかし、その世代もおおよそは亡くなり、数十年後には戦争を経験したことのない世代で構築される世界が訪れるだろう。そこで戦争の惨禍を再び記憶から呼び起こすことが出来るのが、映画を含め上記したものたちだ。その中でも、娯楽の１つとして機能している映画が1番有効な手立てであると考える。というのは、写真を観たりや建物を訪れるといった行為は戦争そのものに興味がないと起こり得ない行動であるからだ。趣味の一環として本作を手に取りとり、興味本意でもいいから本作を鑑賞してくれる次の世代が現れることを期待する。
田舎のミニシアターで鑑賞したのだが、いつもとは違い、即席の椅子を用意するほど超満員で驚いた。
