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この世界の片隅にのhokoのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
5.0
自分自身恥ずべき事にアニメというジャンルは一括りで考えてしまいがちで、去年話題になった某アニメ映画と比較してどちらがより好きかなんて一瞬でも自問してしまった自分をぶん殴りたい。好きや嫌いなんて簡単なものでは計れない大切な映画であり、あらゆる人に観て欲しい映画だなと思います。

まず初っ端の冒頭から、作品に込められた作り手の思いがビシバシ伝わり、もう既にぐっと来てしまった。この現象、良質なアニメ映画を観ると…例えばディズニーやピクサーの作品等でもなるんですが、これ皆様ご経験ないでしょうか?作り手の苦労や愛みたいなものなんかが手に取るように想像出来て、開始直後から称賛の涙が止まらなくなるんですよね…困ったもんだ。

思い掛けず心底ときめいたし、頭をかち割られそうな程の物凄い衝撃も受けて、色んな思いが込み上げて喉が沸騰するみたいに熱くなった。

「あの時こうしていれば」という後悔や自責の念は誰もが持ってしまうもので、震災当時の事をどうしても重ね合わせてしまう。
戦時中から終戦直後の暮らしというと、今までは漠然と暗くて辛くてそこだけ何か隔絶されたようなイメージを持っていましたが、映画の中の人々は存分に笑っていたし、実際そりゃそうだよなぁと。
原因は違えど、日常が突然壊されて行くという部分のみにおいては自然災害とも本質的に似ていて、被災中に家族や親戚、ご近所さんと助け合いながら生活していた事を思い出しました。不謹慎かなぁと思いつつ楽しい事もあって、有り合わせの食材で捻り出すように作ってみた小さいピザを「微妙だねぇ」なんて皆で笑い合いながら食べたり。思えばすず達と似たような事をしていた。
感謝の気持ちは忘れちゃいかんね。

今日の私はというと、劇場では涙鼻水ズルズルで「あの時自宅にハンカチを忘れていなければ」という後悔で一杯でしたが。

長文の上、全くレビューになってなくて申し訳ないです。
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