ヘッドチーズ

この世界の片隅にのヘッドチーズのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
4.6
アニメだからと侮るなかれ、必見の名作。
世界に誇る邦画の東京物語や七人の侍と並ぶ名作だと思う、それぐらい素晴らしい映画である!!

俺がアニメで初めて泣いた映画でもあるw

絵の具やクレヨンで描いたような優しい絵のタッチが、主人公すずのキャラにマッチしている。
主人公の声優を勤めたのんはこれ以上のないハマり役。
編集がキレキレで物語が進むテンポがシンゴジラ並みに早い!上映時間が短く感じた。

背景、当時の町なみのビジュアルが凄いリアルで、とことん入念に取材したのだろう情報量がもの凄い!
効果音が生で録音した感じで生々しい。


戦時中の広島、マイペース&ポジティブ天然な少女すずが結婚後に訪れる戦争の牙に悔しみ、傷つき、怒り、泣く、しかし…
彼女は決して絶望する姿は見せない!
大切なもの、生き甲斐も失うのに彼女は生きることを諦めない!
それは嫁ぎ先の周作らの家族も一緒。

状況が状況だけに物はない・金はない・食糧もない!けど人間模様に注目したい、他人に関心があり心が暖かい人が多いのだ。現在社会とは真逆に描かれていて納得した。


大きな悲劇に見舞われても時間をかけながらも立ち直ろうとする日本人の姿は、3.11後だからこそ伝わりやすい描写だなと思った。


戦争で生き残ったすず達のような強い心をもつ人々が戦後の日本を建て直していったのだろう…

戦争映画だけに悲しい・泣ける展開があるけど(お涙頂戴する演出は見られない)、笑えるシーンも多くて、ラストでは胸がほっこりし観てよかったと思える素晴らしい映画だった!余韻も深い。


PS; エンドロールも絶対観てほしい!さらにエンドロール後に本作を製作するにあたり金銭援助をした人々の名前がずらりと流れるけど、それだけ反戦について考えてる人々が想像以上に多くて日本もまだ捨てたものじゃないと思ったのだった。
ヘッドチーズ

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