こんなに辛い思いをしたんだから、せめて勝ってくれなきゃ報われない。
一般人のすずさんが敗戦を悔しがる理由、それは戦争を知らない私には想像できなかった。
いつも穏やかなすずさんなら、とにかく戦争が終わってよかったね〜なんて安堵するかと思っていた。
違った。
違うに決まってる、たくさん失ったんだから。そんな甘いもんじゃない。
はじめて顕になるすずさんの悔しい表情、大粒の涙が、私には何よりの歴史の教科書だった。
しかしそんなボロボロの精神状態でも、「この世界の片隅でうちを見つけてくれてありがとう」
そんな風に言いのけるすずさんが大好きだ。
何度も見たい作品。