私は本当に、何も知らないんだな。この国の過去も、その時代を生きていた人たちのことも、原爆ドームの本来の姿も、生きるための衣食住の知恵も、私は何も知らなかった。そのことを悔しく恥ずかしく思った。
前半すずさんたちの生活が穏やかだからこそ、戦争が奪ったものの大きさが際立って「切ない、悲しい」と思うけれど、彼女たちを想うとそんな簡単な言葉で片付けちゃダメなんじゃないかとも思えてきて。
「明日が来るのは当たり前じゃない」とか「今あるものや周りの人をもっと大切にしなきゃ」と感じたことさえもすごく陳腐なものに思えるくらい圧倒的な現実を目にして、胸がいっぱいになってしまった。
とはいえ、すずさんと周作の夫婦がすごく可愛かったり、楽しいところもあったのでよかった。のんちゃん素晴らしかった！
