とんかつ

この世界の片隅にのとんかつのレビュー・感想・評価

この世界の片隅に(2016年製作の映画)
4.2
これはホントいい作品。劇場で見られて幸せでした。

まず、原作が素晴らしい。こうの史代さんの描く戦争には、変な政治的意図を感じない。戦争を知らない、ということが負い目なんじゃなくて、ただただ知らないことを知ろうとする姿勢が心地よい。この作品を選んだことに拍手。

次に、すずさんを演じた「のん」ちゃんが素晴らしい。「あまちゃん」という当たり役を得て、そのあと何やらかんやら色々あって、もう見られないのかなぁと残念な気持ちだった。が、やはり魅力のある人は、周りが放って置かないんだな! この人を主役に据えたことに拍手。

そして、コトリンゴさんの音楽も素晴らしい。幾度となくカバーされている名曲「悲しくてやりきれない」に、まだまだこんな魅力があったとは。この作品のために作られた曲のようにさえ感じられた。このミュージシャンを選んだことに拍手。

最後に、決して恵まれた制作環境ではなかったのに、こんなに素敵な作品を生み出してくれた片渕監督に感謝です。
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