今から70数年前、確かに日本は戦争をしていました。
そんな時代でも、人々は日々の生活を営んで…
笑って暮らしていたんだね。
すずちゃんが18歳でお嫁に行った、呉市の家族も笑いが絶えなくて…
晴れた日には丘の上にトンボが飛んで…
穏やかな海が眼下に広がっていました。
しかしその海上には、戦艦が誇らしげに浮かんでいて…
悲劇もたくさんありました。
流した涙も数えきれないほどあったはず。
年月が経って私たちは、過去をすっかり忘れて生きている。
思い起こそう、思い起こそう。
せめて夏が巡ってくるたびに。
この日本のどこにでも、すずちゃんみたいな女性が、悲しみを乗り越えて生きていたことを。