この世界の片隅に(2016年製作の映画)

上映日:2016年11月12日

製作国:
  • 日本
  • / 上映時間:126分
    監督
    片渕須直
    原作
    こうの史代
    キャスト
    のん(能年玲奈)
    細谷佳正
    稲葉菜月
    尾身美詞
    小野大輔
    潘めぐみ
    岩井七世
    澁谷天外
    あらすじ
    どこにでもある毎日のくらし。昭和20年、広島・呉。わたしはここで生きている。 すずは、広島市江波で生まれた絵が得意な少女。昭和19(1944)年、20キロ離れた町・呉に嫁ぎ18歳で一家の主婦となったすずは、あらゆるものが欠乏していく中で、日々の食卓を作り出すために工夫を凝らす。だが、戦争は進み、日本海軍の根拠地だった呉は、何度もの空襲に襲われる。庭先から毎日眺めていた軍艦たちが炎を上げ、市街が灰燼に帰してゆく。すずが大事に思っていた身近なものが奪われてゆく。それでもなお、毎日を築くすずの営みは終わらない。そして、昭和20(1945)年の夏がやってきた――。

    「この世界の片隅に」に投稿された感想・評価

    描写の豊かさとどんな状況でも楽しそうに暮らすすずさんが素晴らしい。みんな何処か足りなくて、それでも誰かに見つけてもらって生きてるんだな…
    出来るなら点数はつけたくないです。
    ながお
    4.5
    残酷な描写もあるけど戦争の時代の日常みたいなものを丁寧に描けていて良かった
    kyokoxxx
    3.9
    こういうテーマの話で、泣いちゃうのはなんでだろ。
    感動とも違うし、悲しいのとも違う。

    のん 良かった
    ゆう
    -
    戦争を描いた映画にも関わらず、ほっこりさせられるシーンが多かった。ただ広島だし確実にあの日は来ると思うと胸が苦しくなることも…
    あと、ちょっと抜けてるすずちゃんの声にのんの声がぴったりだなと思った。
    見てよかった作品。
    律子
    4.3
    とても良かったです。
    この映画を作った方たちは、すごく素敵な方たちなんだろうな。
    すずのキャラクター好きです。
    日常のシーンこそ涙がでる。
    もちろん広島市の被害は甚大なものだったわけだけど、呉市なんかの他の場所でも、同じようにこの時代を必死に生きていた人たちがいたことを教えてくれる、新しい視点をくれる作品。
    一緒に観てた中学生がキスシーンのたびにキャー、膝枕のシーンでキャーって言ってたのが可愛かった。
    片渕監督の前作「マイマイ新子と千年の魔法」がカルト的人気を誇っていたことを知っていて、
    その監督の最新作ということで観たかった一本。地元映画館では年越してからの公開予定でしたが、あまりの要望によるものか一ヶ月繰り上げて公開。2016年内に観ることが出来ました。

    原作未読で観た第一印象は“普通”。
    映画の面白さが普通ではなく、描かれている物語が変に作為的に見えない、極めて我々が生きる現実世界における“普通”を表現できていること。
    巷でも言われているように、描かれたことが自然と今を生きている自分達の地続きであることを素直に感じさせてくれるものでした。それぐらいこの映画は“普通”であると感じさせてくれたのです。
    けれども、我々21世紀を生きる人間にとってみれば、戦争の世紀と呼ばれる20世紀中頃の世界大戦真っ只中の当時は異常に見えます。
    空襲警報が鳴り響き、家には防空壕があり、軍人として戦地へ向かわせる状況があり、贅沢品だとして規制するものが多くあり・・・
    我々からしたら異常極まりない状況です。だからこそ今日まで日本は戦争に対して極度な拒否反応を示し、今揉めているのです。
    しかしそれは普遍的に変わらず脈々と続く、なにかしらの共通する意識があるのを忘れ、あの時代を異常と受け止めた我々は気付かないうちに、奥深くに、別の世界のように、まるで神話のように、遠い過去の話のように受け止めてしまったわけです。
    悲しく、残酷な印象ばかりが前に出てしまい、人間として当たり前なことを忘れてしまった。この映画はそれを気付かせてくれます。

    そりゃあ笑える日もありますよ。いくら戦争してるって言ったって、人間おかしなことを目にしたら笑うもんです。
    主人公の「すず」はまさしく“普通”を体現しています。彼女の頑張る姿、行動、思ったことは人間として“普通”なんです。
    (勿論当時の結婚概念を考慮したら、という話です)

    「なんかこの人、メシ喰わないけど、どんな人なんだ?わからん。怖い」
    「今ここに絵の具があれば、この凄まじい光景を絵に出来るけど・・・」
    「(負傷して)なにが良かったのか全然わからん」
    「ああ、これでここが焼け落ちれば実家に帰れるなぁ」

    一見すると「そんなこと思うなんてっ!」と感じるような、なかなかショックな思いを「すず」は抱きますが、全く不自然ではないのです。
    彼女の境遇、思い、周りの変化を淡々と見せられた先に抱く彼女の負の部分は、観た人誰もが納得します。
    映画全体は笑えるコメディに近い中、たまに挟まれる時代相応の激しい描写が、嫌がおうにも彼女の険しい変化の動機として納得させられてしまうのです。
    それを情緒よく演出せず、テンポ良く見せられるため、泣く暇なんてありませんし、悲しい出来事があっても彼女は結果的に笑い、前に進みます。
    むしろそれこそが当時を生きていた人が営んでいた日常だったのではないかと思うのです。
    「苦しい」「悲しい」。そんなこと言ったって、夕方になれば晩飯作らなきゃ腹減るし、夜になったら寝なきゃ明日に響くし。
    いちいち立ち止まってる暇なんてないわけです。21世紀の我々は勝手に当時を生きた人々を苦しいだとか悲しいだとか言って辛い時代と決め付けてたわけですが、そんな話ではないと。
    弱音吐いてる暇さえなかったし、あれが普通だと感じていたと。年配の方は今を「便利な世の中になった」と言うように、当時成長期を過ごした人々は、当時のあの“普通”に順応した強い方々なのです。

    なのでこの映画は時代関係なく、年齢関係なく観れますし、暗い映画でもありません。
    確かに映画の後の後日談を考えると悲しい出来事が起きることが容易に想像できてしまいますが、そんな悲しい出来事すら、「すず」達は笑って次に進みだすはずです。
    なんせ戦地に行き、遺骨無く帰ってきた息子を、
    「あいつが死ぬわけないし、こんな寒い中わざわざ呼び出すなアホらしい」
    と言い放ってしまう母の娘が「すず」ですから(笑)
    あの8月6日の出来事を描きながら、裏でギャグを飛ばすほどですから、全く暗くありません。むしろ活力をもらえる映画でした。


    よくテレビでは神妙な出で立ちでこの映画を取り上げたりしますが、
    正直そんな映画ではない、明るい映画です。
    見終わって考えると確かに泣きたくなってきますが、でも最終的には、
    「まぁなんやかんや、あの家族は笑いながら過ごしてそう」
    になります。
    個人的には戦争映画とは言いたくないです。これは“人妻萌え映画”です。
    すずさんを見守る映画です。
    (庵野さんは首絞めたくなったとか言ってましたがね・・・)
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