余命宣告を受けた母が、死ぬまでにやるべき事を実行していく家族の物語。
お母ちゃんの決意その1
●蒸発した夫を連れ帰り、銭湯の再開。
浮気した時にできた娘を連れて戻ってくる父がクズに見えたが、女が子供を置いて出て行った事を思うと気の毒。オダギリジョー扮するお父ちゃんのキャラがなんだか憎めない。母を恋しがる鮎子に罪はなく、彼女を受け入れる双葉に心温まる。
お母ちゃんの決意その2
●娘を独り立ちさせる。
学校を休みたがる娘に対して、行くまで待つのか無理に行かせるのか正解は分からないが、身体を張って立ち向かった安澄の勇気に万歳。これで解決とは思えないが、とりあえず強くなった心に万歳。
●娘をある人に合わせる。
これは泣いた。財布を落とした女性や高足ガニが伏線となり、回収される手話の場面で涙腺崩壊…。
親子の朝食という何気ない日常で始まり、味噌汁の味が変という娘の言葉が伏線となり、カウントダウンされる母の命。
なぜそうするのか?という疑問や違和感がいくつかあったが、死へ向かう双葉の「余命」によって、それらが納得させられた。
目標を立てる時間もないのに、時間を持て余したヒッチハイカーに目標を与えるお母ちゃん。
自分の事より家族の事ばかり心配するお母ちゃん。
宮沢りえの身を削る迫真の演技と、杉咲花の絞り出す演技に心を揺さぶられた。
とんでもないラストだったが、タイトル通りのラスト。お母ちゃんの熱い愛が心に沁みるラストだった。