梅ちゃん

湯を沸かすほどの熱い愛の梅ちゃんのレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
3.9
詩的かつ特徴的で、力強いタイトル。
全てを見届けたとき、そのタイトルが指し示す意味に衝撃を覚える。🔥🔥🔥

いわゆる難病ものではない。
母の余命を通して再認識される、血縁関係を超越した心の繋がり、家族の物語。

役者陣の見せる世界観は圧巻。
母役の宮沢りえ、気丈で愛情深いおかあちゃんを見事に体現。終盤の心情を吐露するシーンは必見。
父役のオダギリジョー、クズ男ながら愛嬌があって憎みきれない。彼以外のキャスティングでは、絶対に成立しなかったでしょう。
長女役の杉咲花、当時まだブレイク前だったのでしょうが、その確かな演技力は現在の活躍を充分に予感させるものでした。
次女役の伊東蒼、『空白』や『さがす』で強烈なインパクトを残した、現在最注目の女優。こんなに小さな頃からメジャー作品に出演している事は知りませんでしたが、本作においても、先輩格の杉咲花に劣らぬ存在感を示していました。

劇中『約束』として語られる事柄について、終盤で少し強引な着地を見せる。こういった狙いが透けて見える展開、本来は好みではないのですが、本作においては、唯々涙させられました。😭


以下、若干のネタバレ🤫


中野量太監督作、現段階では『チチを撮りに』しか鑑賞していませんが、最後の最後にしれっと最大級のインパクトを仕込んでくるのは作風なのでしょうか?😳
うん、嫌いではない。🤔