だいみ

湯を沸かすほどの熱い愛のだいみのレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
4.4
娘の立場と母の立場の、双方向からの完全感情移入。全編通して、泣いていない時間の方が少なかったのでは…
高校生の母親として、絶対に頑張らないといけない瞬間や、絶対に助からない母親を看取る毎日があり…自分の来し方を一気に思い出させる作品でした。
いや、私だけでなく劇場内のみなさまが泣いてたなあ、誰にもそれぞれのストーリーがある。その証ですよね、

みんなで力を合わせて銭湯を盛り立てゆく、それがすごくいい。私の子供たちにもこういう生き方をして欲しかった!と突然思うけど、全然勉強だとか受験だとか関係ないじゃん、今更、子育ての反省を始めても仕方ないか、
それよりも考えるべきは、死の宣告を受けた時のことだ。私の、その瞬間がいつなのかわからないけど、正直怖くてたまんなかった、自分ならどうなるんだろうって

「お母ちゃんを絶対ひとりぼっちにさせないから」って安澄ちゃんの言葉。これがこの作品のヤマだと思いましたね、
死の恐怖の正体は何だろう?、私も考える年齢になってきたけど、それなんだろうね、人間は一人ぼっちで死んでゆくことが一番こわいんだ

緩和病棟に入った後の、宮沢りえの表情。私の母親も全く同じようでした、ああやって死んで行きました
シリアスすぎる演技をする人って、普段なら逆に冷めてしまうけど、ここまで鬼気迫る演技をしても、なおナチュラルでいられるとは、りえちゃん大女優なんですね。素晴らしかったです

@星が丘三越
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