あーさん

湯を沸かすほどの熱い愛のあーさんのレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
4.1
タイトルが斬新!

公開からしばらく経ち賛否両論な意見があるだけに、自分がどう感じるのか少々不安な気持ちで今までスルーしていた今作。

まさかの地上波放送!
これは観ないわけには…!!



結果、とても素晴らしい作品だった。。
お涙頂戴、御都合主義かと思いきや、思った以上に一捻りもふた捻りもあって、なかなか複雑な感じになっている。
ちょいちょい、おや?と思われる設定や演出もあったけれど…そこまで気にならなかった。
まぁ、正直ツッコミどころ満載の作品だとは思うけれど、おっきなメッセージがあったから、、私としてはアリ!!
そして、突拍子もないその部分こそがただ単に悲しいだけでなく、今作を力強い作品にしているのかもしれないとも思う。

宮沢りえは素敵な女優になったなぁ。。
役作りのためか、少し痩せすぎの印象だったけど、しっかり"お母ちゃん"を演じていた。
そして杉咲花!
この佇まい、存在感、これからが楽しみな女優さん、間違いなし!

他にもオダジョーがなんとビンゴなキャスティング!
皆さん書かれているように、いい加減だけど憎めない男を演らせたら右に出るものなし!
駿河太郎の探偵、松坂桃李の風来坊もなんか知らない間に巻き込まれていく感じ、面白かった。

話題になっていたいじめ問題については、、双葉と安澄に限ってはこの展開でも良いのかな。。でも、誰にでも真似できることではないと思う。
敢えて書くけれど、双葉の"母"としての思いがあればこそ、、ではないかな。

このシチュエーションに自分が置かれたとしたら…多少なりとも似た状況に置かれた者ならば、双葉の気持ちに共感できると思う。
ただ、そうでなかったら…自分の命の期限を聞かされるということはそれだけ残りの力を振り絞ろうとするし、最後の最後に思ってもみないような大胆なことをしたり、大きなエネルギーを発揮するんだ、ということが納得できなかったかもしれない。

何度も泣かされたけれど、私が特に好きなのは、下着のエピソードとオダジョーが最後にみんなにお願いをするところ。
これは、やっぱりキャストの力量と脚本の力かなぁ。。
女親だからこその気遣いが表れていると思う。オダジョーのお願いは…めちゃくちゃベタなんだけど、やっぱり泣けるんだよね、こういうの。。
双葉の熱くて強い気持ちに引き寄せられた人達の思いが爆発!

セリフの一つ一つからお母ちゃんが"死にたくない"、、って思いながら、でも安心して死んでいけた、というのがわかって、とても丁寧に物語が紡がれていると思う。
監督は男性だけど、きめ細やかな方なんだろうな。

劇場で観ていたら、エンドロール終わってもしばらく立ち上がれなかったかも。。



邦画では今年ピカイチだった気がする。これからが楽しみな監督が増えた♡




独り言♫

主題歌"愛のゆくえ"がきのこ帝国の歌だと気づいたのは、観終えてから。聴き覚えのある声とノイジーなギター、、Wikiで調べたらやっぱり!
上の息子が高校でバンドをやっていたので、同時期自分も邦楽のロックにハマり、よく色んなバンドの曲を聴いていた。
きのこ帝国は"猫とアレルギー"が大好きでヘビロテ♫
"東京"とか"海と花束"とか聴いてたなぁ。彼らの素人っぽい感じが高校生バンドと重なって、今聴いても懐かしく初々しい感じがある。
最近はもう飛び跳ねたり踊ったりがキビシクなってきたので笑、ライブの回数も減り、もっぱら家で聴くことが多くなってしまった。
息子の高校卒業と共に私の第2の青春もそろそろ幕を閉じようとしているのかな。。
バンプとかフジファブリックとかback numberとかELLEGARDENとかピロウズとか、、たくさん心を満たしてくれる音楽と出会えた時期。
息子よ、かけがえのない素敵な時間をありがとう! (…といつも言わないことを言ってみる)

お母ちゃんより
あーさん

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