ひろ

湯を沸かすほどの熱い愛のひろのレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
4.5
商業映画デビューとなる中野量太が監督・脚本を務めて製作された2016年の日本映画

久しぶりに涙が止まらなかった

ガン告知され余命わずかの母親、学校でいじめにあう娘。母娘2人で暮らしていることから、娘のため母はやり残したことをやり始めるといった展開

すごい新星でてきたね。この監督の脚本といい演出といい素晴らしい。「愛とは何か?」というテーマで描かれた物語。血を分けた我が子にだけ愛を注ぐのが愛なのか。本当の深い愛ってやつは圧倒的なのだ。こんなに「愛」が伝わってきて泣ける映画は久しぶりだ。上っ面の愛が描かれた恋愛映画ばかり垂れ流される風潮に嫌気がさしてたけど、こういう映画をもっと上映するべきでしょ

第40回日本アカデミー賞で6部門受賞し、うち2部門の主演女優賞と助演女優賞で最優秀賞を受賞した。主演の宮沢りえ。余命わずかの母親。彼女の命を削りながらも包み込むような母性。その迫真の演技。プライベートは賑やかな宮沢りえだけど、本当に素晴らしい女優。助演女優賞を受賞した娘役の杉咲花。苦難に立ち向かう勇気。彼女も強い役だった。この子はこれからどんどん素敵な女優さんになるだろうね

女性の強さと愛がほとばしる作品なんだけど、脇を固める男性陣もよかった。蒸発した夫役のオダギリジョー。ヒッチハイカーの若者役の松坂桃李。探偵役の駿河太郎。3人とも欠かせない存在感を出していた。駿河太郎は実の父親である笑福亭鶴瓶ゆずりの演技力があるし、笑顔が似合う

きのこ帝国が歌う主題歌「愛のゆくえ」も作品のために作られた楽曲だけに、映画によく合っていて心地よいエンディングを迎えられた。適当なタイアップじゃない、こういった細部も映画には大切だと思う

前半から何度も泣いたけど、泣かせようっていういやらしさは感じないし、自然と涙が流れてくる。愛って何?っていう疑問に、愛ってこういうものでしょっていう答えが返ってくる感じ。このタイトルも好き。「湯を沸かすほどの熱い愛」そんな愛を持った人間になりたいものだ