ShiroKyogoku

湯を沸かすほどの熱い愛のShiroKyogokuのレビュー・感想・評価

湯を沸かすほどの熱い愛(2016年製作の映画)
4.8
冒頭から、いきなり嫌な予感。なんとなく不安定な感じと思ってたら案の定、複雑な家庭環境からのスタート。
けれど、この作品、重たいはずなのに、えっ?そこで?って言う笑える部分もあって(なぜか下着が一皮むけることを暗示するツールだったり、まさかの牛乳とかね)ありえなさすぎな事で、胸の苦しくなる展開を緩和させて物語を進めてくれる。
そして、見進めるうちに涙が止まらなかった…

登場人物は、自分とはまったく違う人生なのに、自分の過去や現在、そして未来になぜか共感してしまい、それが嫁さんだったり子供ともリンクしてしまい、一つ一つのエピソードが、感動の嵐みたいに押し寄せてきた。

未来の自分と重ね合わせて最も共感をしたところは、双葉の「死にたくない」の言葉。
いつか自分もそのように感じる時が来るのかな、と、自分を頼りにしてくれてる人たちがいると、きっとそう思っちゃうだろな、と嬉しいからこそ辛くてしょうがなかった。
また、いつか必ずお別れすることになる嫁さんに、もしそんなこと言われたら何て答えてやったらいいのか、とそんな重ね合わせもしてしまい辛すぎた。

他にも信号待ちでの手話の伏線が、まさかあんな形で回収されるとは思わず、双葉の躾が、十数年先まで見据えたものだった事に号泣…、こんな親になれてない自分と比較してしまい、これまた辛かった。誰の子であろうと自分の子として愛する双葉に感動。

宮沢りえの演技について文句なしなのはともかく、杉咲花の演技がすっごくよくて、初めて見たけど一気に好きになった!
いじめに立ち向かえた時、「お母ちゃんの遺伝子を少しだけ…」と言っていたところで泣いたのに、終盤の展開で、事実を知ったときに、観る者に逆にその言葉を思い出させて、また感動させるなんて反則だと思う!

まぁ、とにかくホント観てよかったなぁ〜って思える作品だった‼︎

てか、ラストは見たまんま、タイトルのまんまの解釈でいいって事なのかな??
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