見た後、頭を抱えて泣きたくなった。
怒りと苦しさで。
見ながら思ったことは、正直にいうと、「この脚本を書いた人は、人の痛みを全く理解していない。」ということ。
恐らく分かった気でいるんじゃないか。
これだったら観客が感動するだろと、需要があるだろと思っているんじゃないか。
セリフやら様々な場面に内在する脚本家の"分かってますよ"感が怖すぎる。
お前全然分かってないどころかヤバいぞ。としか言いようがない。
私にとってこの作品は駄作だった。酷い。
この脚本家はいじめられたことがないんじゃないか?
病気したことがないんじゃないか?
裕福な家庭で育ったか、逆に関係が希薄な家庭で育ったんじゃないか?
死にたいと、それでも生きたいと思ったことがないんじゃないか?
否定される辛さを、孤独の冷たさを知らないんじゃないか?
まず全てにおいて答えを早急に求めすぎている。
感情の理解ではなく、物事を収束させることばかりに意識がいっている。
それを病気だけに絡めてくるならまだ見られたかもしれないのに、いじめやら家庭問題やらまで多種多様に絡めてくるから、見てて辛さと呆れしか感じなかった。
子どもたちが可哀想すぎる。
人間はあんたみたいに強く生きられるものばかりじゃないんだよと言いたい。
辛いのは、いじめや置いていかれたという事実じゃない。
そこに潜む、自分が否定される感覚がきついのに。
主人公がするべきだったのは、彼女たちを無闇矢鱈に叩き上げることじゃない。理解だったのに。
だからこそ、後半の彼らが彼女に何か思いを形で返すシーンが苦笑しか生まない。
何だこれと思わざるを得ない。
キモい家族だ。
そしてラスト。
私は無理だ。受け付けない。
恐怖しか感じない。
感動作に見せかけた、ある意味での殺人映画。
私はこれを人には進めたくない。絶対。
熱すぎる愛っつーか、痛すぎるエゴ。
実はホラー映画でした!ってんなら星5付けるけど。