宮沢りえさんが見たくて観た。
"人間性"について考えながら観ていた。
映画の登場人物はどれも架空の人間像であって、もしかしたら理想像の塊なのかもしれないとも思う。映画を見ていると架空の人物の良いところばかりを切り取って見せられている気がする時もある。とは言えど、今回の映画は彼らの人間性を羨ましく思ってしまった。こうありたいと思える人間性、人との関係性がいくつもあった。架空だと分かっていても、その存在に憧れてしまう時、"自分ちょろいな"と思うけど、そのちょろさ故に映画を楽しめている気がした。
ラストに対して賛否両論はあるみたいだが、ラストで全てが台無しになってしまう程に本編は脆(もろ)くない。(一つ一つの日常の描写、役者の表情など観ていて心地よかった。)むしろ、はじめから賛否両論が出ると予想できるラストな気もしたので、その上での構成ならば、それはいわば制作側の"こだわり"の部分だとも思えて(実際だいぶこだわりの部分だと思う)中野監督の他作品も観てみたくなった。
映画の家族同士のやりとりのシーンを観るときは洋画よりも邦画の方が、その微妙な空気感がより身近に、生々しく感じられて、堪らない気持ちになる。やっぱり邦画の需要は私の中では一生燃え尽きないや
