ミカポンタス

顔のないヒトラーたちのミカポンタスのレビュー・感想・評価

顔のないヒトラーたち(2014年製作の映画)
4.0
2015.10.16

戦後70年、新たに明かされる衝撃の史実。
ナチスやアウシュヴィッツについての映画には昔から興味があり、主演のAlexander Fehlingのファンでもあり、かなり前から楽しみにしていました。
うん。期待を裏切らない良作だった。

強制収容所に関わった大勢の人々の証言を聞き出し、あの残虐な出来事の真相を暴き、沈黙を破ろうと奮闘する若きドイツ人検事の物語。63年のアウシュヴィッツ裁判に至るまでの軌跡を描いている。

やっぱりこの歴史に関する作品では、耳を疑うような真実が嫌というほど語られている。本作もまさにそのひとつ。
驚いたのは、戦争が終わって10年以上経っても、あの収容所での真実が明かされていなかったこと。どの時代に生まれようとも、この現実だけは誰もが知る必要がある。
「嘘と沈黙はもう終わらせる。」検事ヨハンのこの台詞は鳥肌ものだった。

以前私の友人が、アウシュヴィッツには絶対一度は行くべきだと言っていた意味が分かった。あの場所に立つだけで、涙が出るほどの強烈な衝撃を受けるという。
とにかく、このような映画こそひとりでも多くの人に観てほしい。