おなべ

顔のないヒトラーたちのおなべのレビュー・感想・評価

顔のないヒトラーたち(2014年製作の映画)
3.8
原題 『Im Labyrinth des Schweigens』(沈黙の迷宮の中で)
邦題『顔のないヒトラーたち』

アウシュビッツ強制収容所の悲劇に対し、ドイツの歴史認識を変えた史実を基にした映画。戦後の西ドイツを舞台に、ナチス・ドイツのホロコーストに関する真相の究明を試みる、ある1人の若い検事に焦点を当てて描かれた作品です。何の接点も経験も無い日本の大学生がホロコーストについて何が正しくて何が間違ってるとか語るのはナンセンスだと思いますが観て感じた事だけ。

元ナチス党員が全員悪人かと言われればそれは違うし、作中で元ナチス党員を検挙する裁判に反対する人々の意見も一概に間違ってるとは言えないし、考えたところで色んな解釈や考え方があって答えは出ないと思いますが、故殺者に関しては許すべきでないと思います。

元ナチス党員を糾弾する体制になるまでにこの様な検事たちの苦悩と葛藤があった事を知り、ホロコーストのような歴史的大事件でさえも時が経てば忘れさられるものなのかという衝撃。今でこそホロコーストは他国の日本にまで浸透した歴史的大事件ですが、戦後当時のドイツでは元ナチス党員が街で普通に暮らしているという事実や、当時の若い世代はアウシュビッツという言葉さえ知らないという現実に驚きました。
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