過去に観たことはあったものの、『あこがれの色彩』公開を機に本作が改めて気になり、鑑賞。
外国人向けに「交際」という日本文化をレクチャーする紹介ビデオ形式の手引編と、その活用例となるドラマ形式の実践編、2段構成で描かれる恋愛喜劇。出演は、今や名バイプレーヤーの市川実和子さんとラーメンズ、そして斉木しげるさん。
オムニバス映画『Jam Films 2』の1編として製作された短編映画で、ラーメンズの小林賢太郎さんと小島淳二監督による映像製作ユニット"NAMIKIBASHI"が手掛けた傑作コメディ。
外国人向けの日本学習ビデオという体裁で、嘘八百なトンデモ文化を紹介するシュールな映像コントがタメとなり、ドラマで回収される面白さが素晴らしい。
また、2000年代初期の空気感が凝縮されたスタイリッシュな映像も好みだった(おそらく、デジタルブーム黎明期の携帯電話CMを想像してもらうと分かりやすい)。
特に多くのCMやMVを手掛けてきた監督らしいモーショングラフィックの表現は見事。そこに馬鹿馬鹿しい展開が融合していくドラマパートには、唯一無二の魅力があった。
何気なく、『マトリックス』の修行シーンパロディなど、映画好きにもたまらない小ネタがある本作。
短編映画好きには必見の一作だった。
参考
NAMIKIBASHI 日本の形「謝罪 」
https://youtube.com/watch?v=XDLnyW7qWu0&feature=shared
(紹介ビデオをパロディした『THE JAPANESE TRADITION 〜日本の形〜』シリーズの1作。第57回ベルリン国際映画祭コンペティション部門で出品もされた。)
新時代の8人組ユニット「ダウ90000」を知る“5つ”のポイント | CINEMAS+
https://cinema.ne.jp/article/detail/50513
(過去に執筆した記事。近年のお笑いユニットでラーメンズに最も近いのは、ダウ90000だと思っている。この記事では、強引に本作の存在についても言及しています。笑)
2024/8/7 追記
#シリーズ:初期短編 を追加しました!