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美わしき歳月のumihayatoのレビュー・感想・評価

美わしき歳月(1955年製作の映画)
5.0
めちゃめちゃいい話だった
人生で好きな映画ベストの中にまた一本加わった気がする

久我美子の縁談を前におばあちゃんが言う
「でも、こればかりは親同士で勝手に決めるわけにもいきませんね。"新憲法の時代"ですから。」
が、この作品の核をついている気がする。

戦後民主主義、新憲法制定後の資本主義経済下での個人の自由の拡張と、自由競争的な生活
変遷して行く社会に翻弄された若者達の友情の変化と恋の変化
昨今も新自由主義などと、どんどんと何か大切なことが削ぎ落とされていっているような気がする
知恵の輪のように絡み合い、取れそうで取れない。そんな関係が容易に壊されないような世の中であれば嬉しい
友達の少ない僕がいくら言っても寂しいだけだが

佐田啓二の立ち振る舞いがマジでかっこいい。
どんなにお互いの生活や目指すものが変わっても、大切な時に助け合えるのが友情だし
ここぞと言う時に手を取り合い歩み出せるのが愛だと思った
それがたとえ困難で無謀だと思えるような事だとしても

傑作です
図らずも佐田啓二と久我美子2連続
久我美子をだんだん好きになってきた
暫くこの2人を追うことにします
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