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シャザム!の2049のレビュー・感想・評価

シャザム!(2019年製作の映画)
4.1
DC映画としては今までになく完全なコメディへ振り切った作品であり、最高に楽しいヒーロー映画となった。
ザック・スナイダー監督のマン・オブ・スティールとは正に真逆のトーンの映画と言っていい。

誰しもが子どもの頃、スーパーパワーを手に入れる妄想をしたはずだ。僕は授業中指でペンをクルクル回しながらそんなことばかり空想する子どもだった。今でも仕事中にボーっとして空想に逃げ込むことがよくあるボンクラだ。
そんな人間にとってこの「シャザム!」は最高の映画だ。スクリーンに自分が空想したことが次々と映し出される!空を飛べるし、電撃を放てるし、超速で走れる!

そんなスーパーパワーを手に入れるビリー・バットソンは普通の子どもだ。男の子が大人の姿になれるとしたらやってみたいことを次々とやって遊んだり、パワーを使った動画をyoutubeにアップしたりする。

しかしその反面、家族について悲しみや孤独を抱えている。何年も自らを捨てた母親を探し続ける不屈の魂を持っている。ヒーローになるための素質を十分に備えたビリーのキャラクター像のバランスはお見事だ。
ビリーを演じるアッシャー・エンジェルは憎たらしいクソガキ感と、可愛らしさの両方を併せ持つ完璧な配役。

何よりこの映画で一番感動的だったのは足に障害を抱えるヒーローオタクのフレディに起こる終盤の展開だ。誰よりもスーパーヒーローになることを強く夢見た彼だけが、最初から宙に浮いている!願いの強さが生み出したそのシーンは非常にエモーショナルで胸が熱くなった。

家族をテーマにした本作だが、ウェットになりすぎず、あくまで『楽しいヒーロー映画』という芯を貫いたことが一番の成功の要因ではないか。
本作によって今後のDCEUが更に楽しみになった。
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