この作品も、予告ではピンとこなかったんですが、傑作でした。
メインテーマは家族や関係性で、幼い頃母とはぐれたのがきっかけで孤児となった主人公ビリー。
以後、様々な里親に引き取られますが、はぐれた母が彼にとっては唯一の存在で、そのため里親の家庭では問題起こし続け、その傍ら母親を捜すライフワークを続けています。
そんな生活で、孤児としてギリギリの年齢になり、ようやく孤児を育てることを使命のように感じている、同じように孤児同士で夫婦になった家庭に引き取られます。
そこの疑似家族の疑似兄弟姉妹、とりわけ同年齢の足が不自由のヒーローマニアのフレディ、彼の存在とビリーとの関係性が効いてます。
疑似家族との生活の中で、捻くれていたビリーも少しずつ人として関係性の大切さを感じてきます。
ここの微妙な変化のつくりは本当に上手いです。
個人的に、お姉さんの”本当は喜ぶべきなのに悲しくなるのはなぜ？”の状況のシーンが印象的でした。
実は扱っているテーマはかなりシリアスなんですが、あくまでライトタッチのコメディで描ききっていることに、作り手の力量と素晴らしさを感じます。
クライマックスの意外な展開に泣きました。
…でもシャザムは、あの暗いジャスティスリーグに参戦するのでしょうか？（笑）
