樽の中のディオゲネス

カミーユ・クローデルの樽の中のディオゲネスのレビュー・感想・評価

カミーユ・クローデル(1988年製作の映画)
5.0
 映画の面白さを如何に感じるかは人それぞれですが、この映画に関して言えば、それはイザベル・アジャーニの演技の巧さにある、と言わざるを得ないでしょう。
 もちろん、ジェラール・ドパルデュの演じるロダンも良いのですが、アジャーニの演技が、観ている者にあまりに強烈な印象を与えるのです。彼女の美しさは狂気と合わさり(あるいは美しさと狂気とは表裏一体なのかもしれませんが)、静寂、虚無となりゆくのです。
 この映画は、あまり言葉や解説で色づけられると、逆に色褪せてしまうような類のものだと感じました。是非ともご覧になって、アジャーニの魅力に惑わされてみては如何でしょうか。