マヒロ

野獣暁に死すのマヒロのレビュー・感想・評価

野獣暁に死す(1968年製作の映画)
3.0
妻を殺された上に、無実の罪をなすり付けられ収監された男が、釈放後復讐を果たすため腕利きの仲間を集めていく…というお話。

まぁ、話自体はよくあるもんだけど、復讐の相手があの仲代達矢であるというところが驚き。日本人の役なのかと思ったら別にそういうわけでもないらしく、ふつーにイタリア人として周りに馴染みきっているのがなんか可笑しい(セリフは明らかに吹き替えだが)。たまにサーベルを刀みたいに構えて振り回すのはちょっとした日本要素なのかも。確かに顔付きは周りのイタリア人キャストに引けを取らない濃さで、『ウエスタン』のヘンリー・フォンダみたいな凄みがある。

顔芸も満載で十分インパクトを残してくれる仲代に対して、主人公側が人数はそれなりな割にどうも影が薄いのが残念。何故か一人だけめちゃくちゃ攻撃されるが全く死なずにピンピンしている太っちょ男は良いとして、他の男たちは誰が誰だかといった感じで、もうちょっと掘り下げて描いてくれても良かったんじゃないかと思った。

クライマックスはマカロニウエスタンらしからぬ木々が生い茂る森の中で、銃の撃ち合いもなく敵を一人一人木の陰から暗殺していくという地味目なもので、その意外性が面白かった。
前半の仲間集めの過程がなかなかたるいので、そこが面白ければもっと良かったかもなぁ。

(2018.20)
マヒロ

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