TAKU

カン・フューリーのTAKUのレビュー・感想・評価

カン・フューリー(2015年製作の映画)
5.0
「馬鹿に付ける薬はない」ということわざがあるが、この言葉はこれを作った監督にこそ相応しい気がする(超誉めてます)。のっけから、パトカーが空をクルクル飛んで爆発し、ゲーム機がロボットにトランスフォームして人々を襲っていたら、カンフー刑事カン・フューリーが赤いフェラーリの上に乗っかって銃を乱射しながら登場、クレーンの上で戦い、仕舞には月を背景に成層圏で殴り合う。別に支離滅裂な妄想を書いているわけではない。それにここまで書いてきたことは、開始してたったの3分の出来事。

この後も、カン・フューリーを抹殺するため現代へタイムスリップしてきたアドルフ・ヒトラーや、ガトリング砲を持った女バイキング、挙句の果てに雷神ソーまで出てくる。さらに格ゲーのような横スクロール肉弾アクションや、ティラノザウルスVSナチスのシンボルであるワシ型ロボットのバトルが展開される。

全編面白い要素しかないので、30分間ずっと多好感で包まれていた。撮影も美術も特殊効果も限りなくチープな味わいに溢れているが、たまにおそろしくカッコイイ瞬間があったりするのであなどれない。また、『ターボ・キッド』の監督のように、何から何まで80年代オマージュで詰まっている。余りの80s脳っぷりに狂気すら感じてしまう。

劇中のほとんど場面がブルーバックの合成なので張りぼて感もあるし、フィルムとしては稚拙な部分もある。しかし、kickstarterで集めた50万ドルというハリウッドのビッグバジェットと比べて雲泥の差の制作状況の中で、ここまで荒唐無稽なことをしっかり映像化したのは賞賛に値する。

youtubeで日本語字幕付きのが観れるので、「なんだコレ?」っていうのが観たい人はオススメ。