西木寸

残穢 住んではいけない部屋の西木寸のレビュー・感想・評価

3.5
別々の怪談の大元が同じだった時、それはヤバい

怪談小説の作家である「私」。読者からの投稿を募集していた彼女の元に一枚の投稿が届く。
投稿の送り主は岡谷マンションに住む、大学生の久保さん。彼女いわく「部屋に誰かいる。頻繁に何かが床に擦れる音が聞こえる」との事。調査を始めた二人だが、とんでもなく大きな怪奇へとつながぅていく....

原作は小野不由美さんのホラー小説。
とにかく音の使い方が凄い。映画館のサラウンド効果を最大限に活かし、呻き、叫びに全身を覆われる。

前半は正体の定かではない者が部屋にいる怖さを。中盤は話がとんでもない所に広がっていく壮大ゆえリアルな怖さを、より身近に感じさせるような、竹内結子さんの客観的なトーンのナレーションを交えてうまく表現。特に、中盤の展開はサスペンス的にも非常に面白い。

ただ、広がりすぎたが故に、話がどうでもよくなってくるのも事実。サスペンス要素が強くなって来た所で、それをスパンと切っちゃうのもどうなのかと...
西木寸

西木寸