すたーろーど

残穢 住んではいけない部屋のすたーろーどのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

なんといっても、穢れの伝播という設定、ストーリーラインが魅力的。最初はよくある怪談の設定からマンション一部屋の怪異かと思うが実は、その土地、さらには遠く離れた場所から始まる怪異の根源を辿っていく。

主人公の私と久保さんが穢れの根源を調査して、一つの怪談が様々な怪談に繋がるのが面白い。久保さんも大学のミステリークラブに所属とあって、ガンガン身辺調査、後輩までも協力してくれるところが良い。怪談の被害者がガンガン調査にでてくるのは、この設定のおかげで違和感なし。主要人物が怪談に精通している人達なので、怪談のお決まりから逆算したり、繋がる怪談に少しワクワクしてたりするのが面白い。


特に映画の序盤に描かれた投稿者の体験から私が書いた「河童のミイラ怪談」。これが映画の終盤に繋がる。この怪談を描くことで私がどのような、仕事をしているかを観客に伝えることが出来る親切なキャラクターの紹介シーンになっている、その上つかみの怪談として序盤の恐怖場面として惹きがある。単なるジャブ程度のエピソードかと思っていたら、まさか一つの怪談から伝播した怪談の一種だったとは、、

主人公の私を演じる竹内結子さんの気だるそうな目や表情、怪談小説家の重み、怪異を追いかける気迫がでていた。

あと同業者の平岡先生、喫茶店で小耳に挟んでからのすぐ介入。私に資料をくれたり、現地まで来てくれたりと、ひょうひょうとしながらも怪談を追いかける姿が素敵。

ラストのお坊さんが隠していた、幽霊画の不気味さと、なにより隠したお坊さんの幽霊画を見つめる表情が忘れられない。
すたーろーど

すたーろーど