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イコライザー2の特売小説のレビュー・感想・評価

イコライザー2(2018年製作の映画)
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とあるキャラクターが主人公を指して英雄と評した場面で。

違うから、君がそう思うのは当然かと思うがその認識は間違っていると断言するから目を覚まして頼むから、真っ直ぐに生きていって頼むから、と思っちゃいましたよ。

常に観客に30秒先の展開を予想させるような、場面の流れが巧みに制御されていて以て、それは殊に、凄惨な展開が予感される行で抜群の効果を発揮、息詰まる緊張感を何度も味わわせてくれましたよ。

挨拶をしに主人公が旧知を訪ねる場面、チンピラを束ねている程度の事で顔役なんかを気取っている悪党が正義を示そうとする保安官辺りに警告をする際にとる度し難き行動だぞそれ、この主人公絶対やばい奴、少なくとも英雄なんかじゃない筈、という善悪の定義が実に不安定な塩梅が堪らなく快感でしたよ。

前作のファンの期待に応えるような完璧なアバン、その尻の暗入から、あばら骨の隙間に最小限の力で挿し込まれる匕首みたいにタイトルが出現する流れでもう痺れ倒し、更に、そのアバンのエピソードを本編内で回収する際のタイミングと手際にゃあ感電死させられましたよ。

走行中の車内で行われる殺し合い、幾度も見たシチュエーションの筈なのに撮り方、見せ方が新鮮だったのか初めて体験するような興奮を覚えましたよ、ホンとなんだったんだろうあれ、臨場感でもスピード感でもないなにかが宿ってたと思うんだけどあれホンとなんだったんだろう。

俺たちが時に安穏と、時にストレスを感じながら社会生活を遣り過ごしている同じ場所に血生臭く危殆な世界があるって事を、これでもかと感じさせてくれましたよ。

下手なホラー映画よりも余っ程ハラハラ出来てそしてやばい奴に遇わせても呉れますよ。

前作の単純な繰り返し、市井に溶け込む凄腕仕置き人が今日も今日とて大暗躍の巻、をもっと観たくもあったけれどもそれ以上に凄まじいものを見せて呉れましたよ。

という事で感想としてはただこの一言、100点満点で200点の映画でした、と。
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