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イコライザー2のsomaddesignのレビュー・感想・評価

イコライザー2(2018年製作の映画)
5.0
大満足なれど「これじゃない」感も満載

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元CIAエージェントのロバート・マッコール。引退した現在、UBERの運転手として働いているマッコールだったが、CIA時代の元上官で親友のスーザンが何者かに殺害されてしまう。独自に捜査を開始したマッコールは、スーザンが死の直前まで手がけていた任務の真相に近づいていく。

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デンゼル・ワシントン史上初の続編。
とはいうものの、似た役をたくさん演じてる印象が強くて『初の続編!』って言われてもピンとこない。

アントン・フークア監督とは四度コンビを組んでるだけあって、息ピッタリで互いに何を求めて何をすべきか分かり合ってる感じ。
それだけにお互いの不得手な部分を忖度して避けて通ってる印象がずっとあって、なんとももどかしい。

アクションシーンはまさにそれで、冒頭の列車シーン以外ここぞ!という場面でCGやスタント頼りになっちゃうの興醒め以外の何者でもない。トム・クルーズとは言わないまでも、同世代でアクションに挑戦してる名優はいくらでもいるんだから、もうちょっと動ける体に絞れなかったのか。

「ジョン・ウィック2」同様、ナーメテーターもの(舐めてた相手が殺人マシンでした映画)の続編が如何に難しいかを体現してしまっている。
序盤からして、前作であれだけの大騒動になりながら、まだボストン在住って不用心ぷりがどうかと思うし、UBARのドライバーって余計に不確定に色んな人に会う分、身バレもありそうだけどいいんだろうか?とかツッコミ出したらキリがない。

国家レベルの話が超ミクロな個人的事情に収斂してしまうのも、リアリティがあるようで、無いような(´Д` )

加えて、前作と比べて持たざる者の頑張りが完全に無視されてしまったのも残念。殺し屋としても守護神としても無能な普通の一人が、精一杯自分の職責や存在価値の為に命をかけて役割を果たすからこそ、マッコールの原動力になってたハズの物語性が抜けてしまったのが残念。

デンゼル・ワシントンにしてみれば、ギャラや背負ってるものから「アン・ストッパブル」以降ブロックバスターな映画ばかりになるのは致し方ない。
それにしたって、観客の多くは当然のように世間に蔓延る悪を、圧倒的高みから正義の鉄槌を下すキャラをもう一度見たいハズ。

気がつけば、10年以上ドラマ映画に出てなくて、そろそろアフリカ・バンバータの自伝映画とか作って主演してくれないか期待したいところ


85本目
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