TAK44マグナム

ターボキッドのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ターボキッド(2015年製作の映画)
4.2
素晴らしき世紀末暴力ワンダーランドへようこそ!


2015年、我が国を席巻した映画「マッドマックス/怒りのデスロード」が、どうしたことかアカデミー作品賞にノミネートされてしまった!!
これは時代が世紀末を求めているということなのでしょうか!?
「マッドマックス熱」冷めやらずのうちにレンタル店の棚に鎮座しまくるフォロワー、というかパクラーなB級作品群。
そんな中での大本命が本作、「ターボキッド」なのDEATH!

元々はオムニバス映画「ABCオブデス」に応募された短編(観ましたが、本作のクライマックスそのまんまって感じでした)で、落選したものをジェイソン・アイズナーが長編化するようにアドバイス、製作も買ってでて長編劇場用映画として完成したというわけです。
近頃はこういうルートで世に出る映画が多いですよね。
イーライ・ロスが発掘した「クラウン」然り、ギレルモ・デル・トロが発掘した「MAMA」然り。
特にホラー映画は仲間意識が強いのか、こういった「美談」が多い気がします。

とにかく好きなテイストをどれもこれも詰め込んだ、いわゆるごった煮映画でして、基本は「マッドマックス」+「チェリー2000」で、途中から「ターミネーター」も入ってくる仕様。
そこへアメコミヒーロー風味も加えてまぶせば、一丁上がりという寸法。

冒頭、いきなり1997年の話だと説明されます。
もう過去じゃん!いつの映画?って思っていると、バーン!!と、まるでファミコンゲームの安いゲームのデザインのようなタイトルロゴが映し出されます。
そうか!これは80年代を意識した映画なんだ!
どう考えてもセンスが古めかしいエレクトロミュージックもそれで合点がゆくというもの!

1997年なので、当たり前ですが文明は核戦争によって滅んでいます。
無人の土砂置き場みたいなところをチャリンコで颯爽と駆け抜ける一人の少年。
彼だけでなく、この時代では生き残りの皆さん全てがチャリ通であります。
なにせガソリンなんぞ1ミリリットルも残ってやしませんので、遠出するにも、電気を作り出すにもチャリンコが無ければ話になりません。
まさにチャリンコこそが生命線なのです!
勿論、世紀末の悪党どもも全員チャリンコで出張ってきます!
北斗の拳に出てくるようなコスプレマッチョマンたちが、ちっさいチャリンコを必死で漕いでいる姿をご想像ください!
ほほえましいですね!

しかし、やはりそこは世紀末!
ウルトラヴァイオレンスな荒野がひろがっているのです!
首チョンパも腕チョンパも日常茶判事!
ゴリゴリにグロリンチョで、ピューピュー血が噴き出るデス・チャリンコ・ロードでは毎日が過酷なサバイバル!

何度か他作品のレビューでも触れたのですが、こういった映画はディティールに凝れば勝ちなんですよね。
例えば、「マッドマックス2」だとマックスがドックフード食べてたりとか、そういうディティール。
低予算でもアイデア次第でカヴァーできる部分でもあるので、ここが大事だと思うんです。
その点、本作は合格ですね。暴力的な世界観を巧く表現するアイテムが序盤からゴロゴロ転がっているし、なにしろダクトテープ最強!なところが最高です!
モノの修理にも武器づくりにもダクトテープは大活躍!
チャリンコと同様、なくてはならない世紀末の必需品となっております。

作り手の情熱で火傷しそうなほど愉快な映画ですが、いくらなんでもな酷い点も目につきます。
あまりにもご都合主義で話が進むし、テンポも良いとはいえません。特にバトルシーンのテンポの悪さは致命的なほど酷い。

エフェクトCGもショボすぎで、「パワーレンジャー」よりチープです。総じて画はチープなんですけどね。
ただ、これはわざと狙っているのかもしれません。なにせ80年代を表現しているわけなので。

そして、チャリンコをフィーチャーしている割に、チャリンコアクションやチェイスシーンが思ったより少ないのもどうかと。チェイスシーンの迫力が無いのはチャリンコだから仕方ないとして、もう少しBMXを使ったアクションがあっても罰は当たらないと思うのですが。
というか、普通に必要でしょ、これ(苦笑)

その代わりといっては何ですが、とにかくゴアゴアグログロアクションが大豊作です!
良い人も悪い人も、もうグッチャグチャですよ!
ここだけは本家「マッドマックス」をかる~く超越して、行き着くところまで逝っちゃってます!
果てしなく続く残酷ギャグの嵐に、もう笑うしかありません!

クライマックスで炸裂する必殺ワンタッチパラソル!
その驚異的な破壊力に括目せよ!!
目が点になるからな(苦笑)!!


とくべつふろく  とうじょうじんぶつしょうかい

キッド
童顔イケメンの主人公。コミックのヒーロー「ターボライダー」に憧れているタダのオタクであったが、偶然に入手した
ターボライダーの装備を駆使して、ゼウスに囚われたアップルを救おうと奔走する。
必殺技はエネルギーチャージ式のペガサス彗星拳。

アップル
キッドと出会う天然系の不思議少女。
言動も行動も、何もかもがトチ狂っているけれど、どこか憎めない。キッドと強引に友達になるが、直後に人さらいによってゼウスに売られてしまう。
その正体は実は・・・・・?

フレデリック
街の顔役でもある無敵アームレスラー。
弟思いで義理堅く、世紀末にしては比較的常識人。
弟を殺したゼウスを倒すために戦う。
愛車はサイドカー付きのイカしたチャリンコ。

バグ
街で廃品などと水や食料を交換する生業をしている。
情報にも強く、意外と親切。
しかしその親切心が仇となり、小腸をチャリンコで引っ張られるという斬新すぎる処刑法でゼウスを楽しませる羽目に。

ゼウス
片目の世紀末覇者。つまりは悪党。
あるものから水を生成して、街を支配している。
実はキッドとは過去に因縁があったりする。
そして、その正体は・・・・・?
(ヒント:「キャシャーン」のブライキングボス)
演じているのは、「スターシップトゥルーパーズ」で胴体が真っ二つにされちゃったマイケル・アイアンサイド。
なんだか以前より恰幅が少しだけ良くなりましたね。

スケルトロン
ゼウスの片腕的存在。「マッドマックス2」で言えばウェズ。
左腕に飛び出し式の回転ノコギリを装備、やたらめったら首やら腕やらをチョンパしたがる困ったちゃん。
台詞は一切ナシで、いつも挙動がおかしい。
その様相は「マッドマックス」や「北斗の拳」というより、永井豪ちゃんの「バイオレンスジャック」にそっくりなのが確か出てきたような。
あと、「蒼き流星レイズナー」の死鬼隊に似てるかも。
間違いなく、主人公以上に本作で一番目立っている存在。
あまりの格好良さに失禁するかと思ったのは内緒だぜ!

人さらい
シュゴーシュゴーと、ダースベイダーの如く呼吸音を轟かせるクールな人身売買野郎。
アップルをさらってゼウスに差し出した。
切り札は隠し武器のロケットパンチ!

ネズミ
食べたら死ぬで、としか思えないほど気持ち悪い。
これ、みんな食べてんの??うえーっ



セル・ブルーレイにて