あでゆ

デジモンアドベンチャー tri. 第1章「再会」のあでゆのレビュー・感想・評価

2.2
◆Story
八神太一ら"選ばれし子どもたち"がデジタルワールドへ渡った冒険から6年、八神ヒカリたちがベリアルヴァンデモンと戦ってから3年が経過。デジタルワールドへのゲートは閉じ、彼らは平和な日々を送っていた。ある日、クワガーモンが出現し街を壊してしまう。17歳になった太一はクワガーモンを見かけ、その暴走を止めようと追走。クワガーモンが太一を襲撃してきたその瞬間、デジヴァイスが光を放ち始める。

◆Infomation
人気テレビアニメシリーズの続編として、「デジモンアドベンチャー02」でのベリアルヴァンデモンとの最後の戦いから3年後を設定して描かれたアニメ。17歳になった主人公・八神太一らは穏やかな毎日を過ごしていたが、ある日突然クワガーモンにより街を破壊されたことから新たな冒険に乗り出す様子を活写する。監督は『デート・ア・ライブ』シリーズなどの元永慶太郎。坂本千夏などの初代キャストに加え、成長した子供たちの声を担当する花江夏樹、三森すずこらの新ボイスキャストにも注目。

◆Review
6章あるうちの最初の1編なので身も蓋もないかもしれないが、残念なことに今作では話がほとんど進展していない。『僕らのウォーゲーム』があの短い時間で話をまとめているのだから、この話の薄さであれば少なくとも半分には削ることができただろう。

アートについてもあまり出来が良くなく、キャラクターの顔の違いもわからなければ、クワガーモンのスケールもカットによってまちまちで良くわからない、アクションシーンのクオリティーも一応オメガモンが申し訳程度に出たりするのだけれど、興奮もなくイマイチというもの。
冒頭の「Butterfly」も今風のナヨナヨしたアレンジになっていて不満だった。

ストーリー、アート、音楽全てにおいてイマイチだったのだが、なにより仕方ないにせよ"選ばれし子どもたち"の声優を入れ替えてしまったために、再会シーンについて同窓会感が全く生まれていないのが気になった。
もちろんメタ的に声優が違うから初対面だろうというのもそうなのだけど、劇中でも演技から再会に対するバイブスが感じられないのだ。

見ていて感じたのだが、そもそも本作と向かい合うためのテンションとして、デジタルワールドへの憧れのようなものが既に薄れてしまったように思う。
デジタルワールドって何だ? 『サマーウォーズ』だったらVRかアバターの世界になっていたように近年のデジタルに対する解像度をある程度担保してたんだけど、流石に設定が古くなっているように感じる。ほとんどファンタジー世界と変わりないのだから、もうファンタジーで良くない?という気持ちになってしまうのだ。
そういうわけで、ここからあと5本見ようと思えるかというと、かなり気合を入れないと難しいように思う。
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