この時間感覚
美しい
永遠に続くようで永遠に見ていたいようでしかし部分部分全てが虚構で無であるような始まりも終わりもない時間
ヨーロッパ映画の時間感覚をストレートに最もうまく表現しえた作家、日本語によってそれを成し得たことの偉大さ
しかし全てが抽象的で、少数者が多数者で、無感情が支配している世界、まさに偽善によって成り立っている
その芸術の完成度が圧倒的に力強く偉大であるという点で、露骨なアイデンティティポリティクスでない点で、是枝よりタチが悪い
現代の文化、政治の根本的な問題、特にリベラルやエリートの問題に通底するような、気持ち悪い自閉への邁進を如実に表しているこの作家に対して、どう立ち向かうことができるか