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ハッピーアワーのcotelogueのレビュー・感想・評価

ハッピーアワー(2015年製作の映画)
4.3
お恥ずかしながら、やっと鑑賞。普段悩んだり考えたことのあることを、ひとつひとつ名前をつけてどんどんラベル貼っていくような、そんな、もう、何も言えなくなるくらい凄かった。しばらくうなされそう。
というのが、観た直後の雑感。
咀嚼したいくにつれ、恐ろしい緻密さと底の知れない人間の業の深さを理解していく。登場人物の紹介は割とゆったりいくが、ワークショップで転調し、登場人物たちも、観客も、物語自体も、重心に焦点を置いて、それがグラグラに揺れて変容していく様に心ごと揺さぶられていく。離婚調停中の夫は、こんなムカつく奴いんのかくらいのキャラクターで現れるが、朗読会以降、自分の言葉で話しをした時にその知的で聡明な思考回路と、怖いくらい素直な性格が垣間見える。それを持ってしても関係が修復できないことは、絶望に近い世界の残酷さが顔を覗かせる。そして、それぞれの正しさの考察が始まる。と、言い出したらキリがない。本当に凄い。映画とゆうか、哲学とか倫理学とかの本のよう。そして、主演4人のキャラクターが本当に聡明で人間味に溢れている。しかし、鵜飼にいったあかりも、風間にいった桜子も、たくやを捨てたふみも、なんやねん、と男性の私は思いました。
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