TAKU

喰らう家のTAKUのレビュー・感想・評価

喰らう家(2015年製作の映画)
3.5
ルチオ・フルチ愛にあふれた血みどろ幽霊屋敷ホラーで面白かった。

息子を自動車事故で失い、悲嘆に暮れるポールとアンの初老夫婦。二人は新天地で生活を始めるため、雪深い静かな田舎町に移住する。だが、19世紀に建てられた新居に転入して早々、怪現象の数々に悩まされる。「もしかして、これは死んだ息子からのメッセージなのでは……?!」と主張するアン。だが、実はその家は30年に一度生贄を求めて目を覚ます邪悪な霊たちに取り憑かれた戦慄の幽霊屋敷だった。

幽霊屋敷に引っ越してきた家族がその家に棲みつく幽霊に襲われる、というシンプルかつこれまでに何度も観てきたようなオカルトホラーのフォーマット。しかし、本作は内臓大爆発ほか景気の良い阿鼻叫喚なスプラッター描写が炸裂するという、幽霊屋敷モノの中ではかなり異色な作品になっていた。

前半から中盤までは『ウィッカーマン』的な要素を含んだ静謐で緊迫感あるサスペンスが続き、終盤は白目の丸焦げ幽霊たちによる大殺戮が展開する。

本作の幽霊は、自らの腕力で犠牲者たちの腹を引き裂き、頭を握りつぶしたりとかなりアグレッシブ。目ん玉串刺しになる場面があったり、幽霊の必殺技が『ビヨンド』を想起させられることからも、イタリアのルチオ・フルチから影響を受けたのかなんて思った。また、家の地下室にこの世ならざる者が潜んでいるという設定は、ルチオ・フルチが監督した『墓地裏の家』に似ていた。

80'sホラー映画のスピリットを継承したゴアなスプラッター描写に、前述した『ウィッカーマン』や『わらの犬』のような“田舎怖い”という要素や『永遠のこどもたち』のエモーショナルな要素も盛り込んだサービス精神旺盛な快作。

個人的には、屋敷や町の住人たちについてもっと掘り下げて欲しかったとは思うが、80分と短い尺でまとめていたので良しとしよう。

スプラッター系が好きな人は満足すること間違いなし。