MasatoshiOura

パッセンジャーのMasatoshiOuraのレビュー・感想・評価

パッセンジャー(2016年製作の映画)
3.5
120年間も人間を冬眠状態にして、新しい惑星を目指す宇宙船。そんな中、たった30年くらいしか冬眠してないのに、目覚めっちゃたら、さー大変。もう一回冬眠することもできない!宇宙船の乗組員たちは特別ゾーンにいて起こしにもいけない!「あれっ、これまさか詰んだ…俺?」

ここ数年、SF映画界には「ゼロ・グラビティ」「インターステラー」「オデッセイ」と、宇宙に取り残されちゃった系映画が続いております(基本マッド・デイモンだけど)が、その流れを汲んでなのか?、2017年もやっぱりきました宇宙孤独系SF(勝手に命名)。その名も「パッセンジャー」でございます。

最近はなんでこういう宇宙の中で、ぽつんと人を放り出す監督が多いんでしょうか?可哀想じゃん。悲しくなってくるよ。そりゃあね。もう誰でもいいから人間を求めたくなりますよ。おそらく、監督たちはこう言いたいんでしょうね。「やっぱ、人って人がいないと生きていけないやん(素敵やん)」

さてさて、詰んじゃった彼がどうなっていくかというと、最初は気晴らしで宇宙船にある色々なアトラクションを遊びまくっています。ダンスゲームだったり、バスケだったり、美味しいものをたらふく食べたり。ただ、お察しの通り、そんなもんすぐ飽きてしまいますよね。だって人間だもの。

そんなこんなで数ヶ月後。まだたくさんの人間がすやすやと眠っている冬眠ポットをふと見ると、その中にめちゃくちゃ美女が眠っていらっしゃるのを発見します。「おいおい、かわいいじゃないか!」。そうなると男はもうとまらない。「ダメだ!ダメだ!ここで彼女を起こしてしまったら、彼女の人生を奪うことになってしまう」そんな葛藤もありますが、それはもう男のサガってやつ。ジャニファーローレンスと残りの60年くらいの人生を一緒に過ごせるなら、誰だって起こしちゃいますよ。悪くない。お前は全然悪くない!ジャニファーローレンスが美人すぎるのが悪いんだ!!!だって男だもの。

ここからが男の最高の時間のはじまりはじまり。なんたって、毎日ジェニファー・ローレンスとご飯を食べて、お酒を飲んで、遊んで、泳いで、パーリーナイト。こいつ...一回死んどけ、と映画を見ている観客が思い始めるわけですよ。みんなどう思ったか知らんけど、私は怒りにふるえておりました。

とはいえ、そんな楽しい時間がずっと続くわけがない。バーカウンターでいつもお酒を出してくれるお喋りロボットがちょろっと口を滑らせちゃいます。「あなた(ジャニファーね)を起こしたのは彼ですよ」。(ロボットのわりに全然口が固くない!!!!)

・・・・がーーーーん。

そこからは想像通りの展開。というか、ジェニファー・ローレンス起こした時点で想像通り。やっぱり女性に嘘はついちゃいけません。男はこのシーンを見て、90年分は反省しなければいけないですよ。

さて、ここからが物語の一番おもしろい展開なっていくんですが、これ以上書いちゃうとネタバレになっちゃうので、このへんにしておきまして、全体的な感想です。この映画は、やっぱり宇宙船のディテールだったり、宇宙空間の景色はなかなか素晴らしいものがありました。人がごちゃごちゃいない分、より洗練されて見えるのかな、と。とはいえ、それは「オデッセイ」や「ゼロ・グラビティ」も同じこと。「パッセンジャー」はここ数年の映画と比べると、なかなかSFにおける真新しさっていうところが、なんか物足りないなあ、という感じです。やっぱり最近、宇宙孤独系SFが多くなってきていて、観客も見慣れちゃうんじゃないかなぁ。

まあ「オデッセイ」がけっこう好きな人は、見ていて「つまらない」ということはないはずです。ジャニファー・ローレンスといちゃいちゃしてみたいっていう妄想をしたことがある人ならオススメかも。
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