ken

パッセンジャーのkenのレビュー・感想・評価

パッセンジャー(2016年製作の映画)
3.7
豪華宇宙船アヴァロン号の乗客5000人は新たな居住地の惑星に到着するまでの120年間を冬眠ポッドで眠り続けている。しかし、エンジニアのジム(クリス・プラット)の冬眠ポッドが故障して90年も早く目覚める。そして、ジムのとった行動からストーリーは展開する。

アンドロイドは寂しさを忘れさせてくれる話し相手になっても、それ以上は望めない。如何に優れたAI機能をもってしても生身の人間の代わりはできない。
ジムは絶望的な孤独状態に耐えきれず、遂に小説家の女性オーロラ(ジェニファー・ローレンス)を故意に目覚めさせる。彼女の人生を完全に変えた瞬間だ。

しかし、自ずと人が恋しくなるのは時間の問題であり、ごく自然の流れだったのではないか。自らが同じ環境に置かれたら男女問わずジムと同じことを遅かれ早かれすると思う。選ばれた相手は当然激怒して運命を変えたジムへの怒りはしばらくは続くだろう。しかし、怒り続けたところで後戻りは100%無い為、時間の経過とともにその環境下で自分はどう生きるべきか?残された人生を2人でどう歩むべきなのか?を真剣に考えるはずだ。90年後に目覚める人々に2人が築いてきた足跡とメッセージを伝える役割を生き甲斐として生き抜いていくだろう。

たった1人で生きて行くことはできないことを改めて思い知らされた。限られた時間をどう生きるべきか?大切な人とどう関わるべきなのか?アヴァロン号に乗っている訳では無いが、与えられた命がある限り愛する人と精一杯生きるべきなんだと思わせてくれた映画だった。
ken

ken