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パッセンジャーのpikaのレビュー・感想・評価

パッセンジャー(2016年製作の映画)
4.0
予告見ても面白そうと思えず「いつもの大作SFか」とジト目で記憶から抹消し、レンタル店で「あ、メッセージもう出てる」なんて勘違いして借りてきたのに、めちゃくちゃ面白い!!!!!

まずSF映画の醍醐味の一つである近未来テクノロジーが最高で、「あらすじわかってるから早よたどり着け」シークエンスも、この近未来システムご紹介描写が延々と楽しいので飽きるどころかヨダレだらっだら。
2人(もしくは3、4人)しか出てこないのにここまで見せられる演技力の高さが人物描写に多大なる説得力を持たせていて、「自分ならどうするか」という問いを単に設定で提示されたドラマの中の他人事にせず、身に迫る問題として没入させてしまうところが素晴らしい。

ドラマそのものが暗喩になっているんだけど、単に例え話とするんじゃ味気ないテーマをラフな娯楽に仕上げているので、掘り下げずシンプルに楽しむ人も、心理を熟考して楽しむ人も両方満遍なく采配しているバランスが上手い!

CG凄いだろう!的なイヤラシさはなく、展開自体に醍醐味の比重を置いてるので映像の迫力で引き立てているところも好印象だし、クライマックスからの展開はベタだからこそ娯楽作として満足できる上、しつこく粘着かずいい塩梅にアッサリとしているので後味もスッキリしていて良い。
ぶっちゃけ問いというテーマと過程が面白かったのでラストの転び方はどうでもよくて、妙に感動を煽らず地味に終わってくれたってだけでオッケーっす!という安堵感が上回った。

前作「イミテーションゲーム」も史実とエンタメを見事に融合した独特なバランスの傑作だったし、覚えにくい名前でスルーしてたけど、監督の名前をちゃんと覚えて注目していこう!
モルテン・ティルドゥム監督_φ(・_・
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