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パッセンジャーのkouのレビュー・感想・評価

パッセンジャー(2016年製作の映画)
3.5

SFであり、ラブストーリーであり、アクション映画的な部分もあるが、とても変わっている映画だと思う。そういう意味でとても意欲作だと思うし、僕自身は結構楽しかった。監督はイミテーション・ゲームなどのモルテン・ティルドゥム。

移民宇宙船に乗っていたジム(クリス・プラット)が人工冬眠ポッドから起きると彼一人で、目的地への到着まで90年かかる事を知る。広い宇宙船で彼一人、孤独に過ごすことになるというのが映画の冒頭部分。ある女性に出会うことから、映画の展開が変わっていく。

今作は単純なラブストーリー+SFという図式ではない。あるとても重大な罪を、ジムがおかしてしまうのだ。その罪が発覚した時、単純なラブストーリーではなくなっていく。その展開がとても面白いなと思った。許される事なき罪を彼は背負うのだ。

彼の罪がどう昇華していくのか、物語のスケールとエンターテインメント要素が加わりながらも罪とその赦しについて描かれる作品。とても微妙なバランスの作品であるため、見る人によってはダメかもしれないが、僕はやはり「孤独」というのが持つ死よりも残酷な側面を考えるととても考えさせられた。面白い作品だった。
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